年の瀬の空港にて

見送りのために久しぶりに空港に出向いた。

年の瀬なので、実家に帰省するらしき家族連れや、どこかに旅行に行くらしき人々がたくさんいて、活気に満ちている。

その光景を眺めながら感じるのは、

家族をゆるやかに包むその連帯感や暖かさ、
夫婦がお互いの家族と繋がることで世界が広がるその楽しさや、

まるで足し算ではなくかけ算のように、思いがけず大きく世界が展開していくその可能性。

と同時に、

どこか役割やしがらみの気配を湛えた、
ある種の気だるさや息苦しさ
そしてそこはかとない閉塞感や諦めのようなもの。

シングルであればひとりの自由を謳歌していて、それがとても眩しく見える一方で、

どこか漂う所属感のないよるべなさ。

みんなそれぞれに幸せと、

現状のどうしようもなさみたいなものを抱えていて

それらはどうしようもないが故に言葉になされないままに

そこここに漂っている

と、そんな風に感じながら歩いた。

それは自分も通ってきた道であり、とても思い当たる節があるので

ふと懐かしいような

でももうその時代には戻りたくないような

と言いながらまた別の形で味わってみたいような

そんな風に心が揺れながらも、

それぞれの良さと、そのかけがえのなさ。

それぞれの切なさと、そのやりきれなさ。

どちらがいいとか悪いとかで割り切れないからこそ、どれも味わい深いのかな、と思うに至った。

空港には色んなドラマがあっておもしろいなぁと、

人はおもしろい

そして人生はおもしろい

と、そんなことを思った師走の空の下である。